バズ回路

 

最近は、気軽なコミュニケーションとして、TwitterやFacebook、LINEやInstagramなど、実に多種多様なSNSが活用されています。

 

こうしたSNSが広く普及した背景には、リアルタイムで情報をキャッチできる、交友関係が拡がる、企業商品をPRできるなど、様々な理由が挙げられますが、このSNSでの人間関係を脳科学の立場で分析する時、ある趣味深い脳の現象が想起されます。

 

「こんな話を誰かに伝えたい」

 

「この写真を多くの人と共有したい」

 

私達がこう思う時、脳の中で活発に働き始める回路があります。

 

それは「バズ回路」です。

 

本来「バズ(buzz)」という英語には「噂」「口コミ」「密かに話す」といった意味があり、SNSで情報を発信・収集する事によって、脳内ではこの「バズ回路」がひそひそザワザワと活性化します。

 

そして個人個人の「バズ回路」がSNSで交流し、他者の感性と自分の感性が掛け合わされる事で、人間関係が強まるというメリットがあるのです。

 

「バズ回路」が活性化する要素として、大きく次の2つが挙げられます。

 

①自分が感動したというエピソード

 

例えば、アニメ映画を観て、自分が「感動した」とします。

 

「この感動を多くの人達に伝えたい」「SNSで誰かに伝えたい」とすぐさまいうように、自分の表現をする喜びとは誰の中にもあるものです。

 

そうした感動に共感してもらえると、「バズ回路」が活性化していきます。

 

②他人が見ても感動するだろう、という共感の素

 

ある感動で自分の脳の「バズ回路」が活性化し、その感動が他者に伝わる事により、他者で「バズ回路」までが活性化し、喜びや感動の掛け算が始まる事があります。

 

その時に、お互いの精神的な結びつきは強まっていきます。

 

「いい人」は常に他人本位のマインドになりがちで、能動的に自分の感動を他者と共有する意識が薄いものです。

 

けれどもあなたが自分の本当に感動した事を発信し続けていれば、そのうちあなたに賛同してくれる人、すなわち同じ「バズ回路」を持った人が現れるはずです。

 

当然ですが、あなたが他人本位の発信をしている反応に一喜一憂していては、メンタルのエネルギーを消費するばかりでSNSをやる意味などはありません。

 

しかし、自分が得た感動の共感の輪を広げようと、自己本位で発信を続ける習慣を身につける事は、良好な人間関係の為にも、またセルフ・ブランディングのためにも有益な事です。

 

それこそが、個人が社会から受けるべき健全な「評価」だと思うのです。

 

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