イエスマン

 

皆さんは知らず知らずのうちに、「イエスマン」になっていませんか?

 

「イエスマン」とは、会社であれば上司や自分の役職よりも上の人、スポーツの世界であれば監督やコーチ、先輩と言った目上の人などの指示や頼み事を無条件に受け入れて断らない事を指します。

 

常に他者の意見を待っている状態にいて、自分から反対意見は言わない「いい人」も、この「イエスマン」の範疇にあると言っていいと思います。

 

「イエスマン」で固めた人や組織というのは、短期的には居心地が良いかもしれませんが、長期的に組織として発展しにくいものです。

 

そうした潮流は高度成長期のような大量生産の時代であれば、それでもまだうまく流れていました。

 

しかし、現代のように全体主義の価値観の企業が倒産もしくは衰退していく時代、どんな事にも「長いものには巻かれろ」を貫く事はお勧めできません。

 

上司の指示や仕事のやり方に絶対に文句を言わず、「いい人」になってすべてイエスと引き受けた結果、仕事を抱えすぎてしまったり、大きなミスを犯してしまう事でストレスを抱えてしまいます。

 

そして何よりも言える事は、「イエスマン」は使い勝手の良さに感謝される事はあっても、尊敬を集める事はできないという事です。

 

自分の意見を言えない人間は意思決定を任される人材になり得ないのです。

 

では、「イエスマン」を脱却して自分独自の意見をきちんと相手に伝えるには、どうすればいいのでしょうか?

 

こんな時は、NHK番組「スタンフォード白熱教室」のグループディスカッションで、ティナ・シーリング教授が用いた方法をお勧めします。

 

決まったテーマについて、2人1組で自由に意見を出し合い、1人が発言した後に、次の発言者は「But~(でも~)」と前の人を単に否定するのではなく、「Yes,and(なるほどそうですね、私はそれに加えて~もいいと思う)」と発言するのです。

 

自分の意見を強く主張するのが「空気を読む」事である欧米の人達でも、自分の意見をむげに否定されては気持ち良いはずがありません。

 

そこで学生たちは、肯定的な表現を使い、相手の意見に付け加える形で自分独自の考えを表明するという洗練された方法をとるのです。

 

私たちの日常でも、会議などで「でもさ」「だけど」「しかしね」などといった否定語を使いたがる人がいますが、もともと人は反論されるのがあまり好きではありません。

 

本来、人の意見には、正しいとか正しくないといった解釈はないはずです。

 

ですからこのように、相手の意見を肯定して、その後自分の意見述べてみて下さい。

 

無用な言い争いや誤解はなくなる事でしょう。

 

上司と意見が食い違ったときや建設的に進めたい時に、この洗練された話法は効果を発揮するものと思います。

 

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