日が暮れて、あたりがすっかり暗くなりました。
男が地面に膝をついて街灯の舌で探し物をしています。
通りがかりの女が「こんなところで何をしているのですか?」と尋ねると、男は「鍵をなくしたので探しているのです」と答えました。
そこで女は手伝う事にしました。
1時間ほどして女はすっかり困惑し、「くまなく探しましたが、どこにも見つかりません。本当にこのあたりでなくしたのですか?」と尋ねました。
すると男はこう答えたのです。
「いや、本当は家の中でなくしたのですが、街灯の方が明るくて探しやすいので、ここで探しているのです」
この寓話と同様、私達も自分の抱えている問題を直視するのを避けて、他の人や物の中に問題の根源を探し求めます。
自分という本当の原因を究明するよりも、その方が簡単だからです。
問題は根源は自分であり、私達はその事実を直視しなければなりません。
なぜなら、それを直視しないうちは何も変える事ができないからです。
どんなにつらくても、その事実を見据える必要があります。
もちろん、誰でも状況が好転してほしいと思っていますが、現実を直視するのを拒んでいる限り、状況は好転しません。
何かを変える必要があるという事を認識して、初めて変化が訪れるのです。
あなたは自分の人生に満足しているかもしれません。
たしかにそれは素晴らしい事ですが、どの成功者も改善の余地があると考えています。
人生で成功をおさめて、欲しいものを手に入れるための第一歩は、自分の人生に100パーセント責任を持つ事です。
それをしない限り、人生で欲しいものは手に入りません。
自分の人生に責任を持つという事は、自ら率先して行動し、間違いを犯したらそれを認めるというだけではありません。
それは、言い訳をしないという事でもあるのです。
言い訳をしている限り、良い結果を出す事はなかなかできません。
言い訳をする事は、言うなれば、飛行機の脱出ボタンを押すようなものです。
ボタンを押した瞬間、あなたは軌道をはずれ、成功の機会を逃す事になります。
たしかに、言い訳をすれば、うまくいっていない事を正当化できるかもしれません。
しかし、いったんそれをしてしまうと、自分のやり方を反省して改善につなげる事ができなくなるのです。
真の成功者は、どんなに立派な言い訳をしても何の役に立たない事を知っています。
たとえ言い訳が真実であっても関係ありません。
典型的な言い訳は「忙しくて時間がない」です。
言い訳をすると、自分の進歩がますます遅くなるだけです。
言い訳をして納得する事はありません。
では、どうすればいいのでしょうか?
まず、「自分は、状況を改善して目標を達成する力を持っている」と確信する事です。
人は様々な理由で言い訳をしますが、どんな理由も重要ではありません。
重要なのは、自分の行動に責任を持つ事です。
多くの人は「自分の行動に責任を持て」と言われると、「分かっている」と言います。
しかし、「分かっている」と「実行する」は違います。
本当に分かっているなら、それを実行しなければなりません。