孤独の力

 

「孤独」というと、どこか寂しく、独りぼっち・・・。

 

このような、マイナスの印象を持つ人が多いかも知れません。

 

しかし、そうではないと思います。

 

孤独こそ、集中力や感性の源、生きる力だと思っています。

 

それは、誰もが生まれ持って備えている力ではないでしょうか?

 

オギャーとこの世に生まれてきた瞬間、人はたった1人で暗闇の中を進み、光の世界で生きるための行動を起こします。

 

これまでの命をつないだ緒を絶ち、呼吸をして、乳を吸い、必死に生きようとするのです。

 

生きるための何かを誰かに与えられているなどと、本人は認識していません。

 

それが乳房だと知り、空気という存在に気付くのはずっと後の事です。

 

赤ん坊はただ、本能という、自らの力で生きようとしているのです。

 

成長に伴い、人間は1人で生きられない事も分かっていきます。

 

「個」と「個」がそれぞれの力を出し合い、助け合う事で命を守り、成長し、社会を形成するのです。

 

それを発展させ、国家という仕組みも生み出してきました。

 

他者と繋がる事は一時の安全と安らぎをもたらします。

 

安全と安らぎという魅惑を富に変える事で、経済は発展したとも言えると思います。

 

しかしながら、甘い魅惑に身を委ねすぎて、誇り高き孤独の力を失いかけてはいないかと、常に自らに問わなければいけません。

 

現代は、孤独の力を見失いがちな時代です。

 

あまりにも情報が多く、顔が見えない他者の声が無数に聞こえては流れていき、内なる自らの声がかき消されてしまいます。

 

昨今の自分の今日の自分、その違いに、どれだけの人が気付いている事でしょうか?

 

周りに翻弄され、「青が良い」と言われれば青く染まり、「白くなれ」と言われれば色を抜く。

 

いつしか消耗し、虚しさを持て余して、恨みを垂れる。

 

そんな繰り返しで命を使う事は、もうやめてほしいのです。

 

逆説的に聞こえるかもしれませんが、孤独を味方にすれば、選択肢は広がり、ともに事を成す仲間は増え、家族や友人をより愛せるようになるのです。

 

難しそうだと感じるでしょうか?

 

孤独の力は、特別な人間だけに与えられたものではありません。

 

誰もが備えているのに、心の奥にしまい込んでいるだけなのです。

 

現に、あなたは孤独に惹かれる自分に、すでに気がついてはいませんか?

 

もともと持っていたその力をゆっくりと掘り起こし、磨いてみて下さい。

 

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