「リーダーの仕事とは何か?」と聞かれたら、「早く決める事」だと思っています。
組織を構成するメンバーにはそれぞれに役割があって、リーダーの役割は「決断」。
そして、その決断は早ければ早い方がいいと思います。
リーダーが早く決断すれば、それだけ現場で手を動かす人たちが仕事に魂を込められます。
時間をつくる事が1番の貢献だと思います。
それからもう1つ、大事なリーダーの仕事があります。
仕事を任せる時に、「最後は私が責任をとるから」と言い切る事だと思います。
これは、人を動かす魔法の言葉です。
責任を取るなんて、怖くて言えない方もいるでしょうが、本当のところ責任なんてどうやって取れば良いのでしょうか?
降格、減俸になるのは構わないけれど、仕事の損失そのものを埋める事なんて、誰もできる事ではないのです。
ただ「思い切ってやってこい」と背中を押すエールとして、不安をなくすためにこの言葉を使うだけなのです。
すると安心して、担当者は仕事に取りかかれるのです。
つまり、リーダーが早く決める事によるインパクトは思った以上に大きいのです。
会社や組織を大きくしたリーダほど優秀だ。
その考え方は本当でしょうか?
私は、必ずしもそのようには思いません。
1人の人間がきちんと向き合える人の数は、せいぜい10人です。
こまめにコミュニケーションをとって、前向きに元気でやっているかどうか顔色も観察出来て、相談にいつでも乗れるくらいのゆとりを持てるキャパシティーは、どんなに器用な人でも10人までだと思っています。
組織の単位をコンパクトに維持して、いつでも機動的に動けることが大事だと思います。
そこで、トップは何をするかと言うと、10人部門長の話を聞くだけで終わりじゃありません。
現場に行って、そこで働く100人の顔を見て、「元気?」と聞いて回る。
仕事の話なんて滅多にしない。
世間話とか、「その靴、お洒落だね」なんて言いながら、若い人たちの様子を観察する事が大切なのです。
現場で働く若手メンバーの顔色がツヤツヤと明るくて、眉間がスッキリと伸びていたら、仕事が上手く回っている証拠だと思います。
1万字の報告書よりも、現場で働く仲間の顔つきの方が、正確にビジネスの状況を反映します。
数字はいくらでもごまかせるけれど、顔色は嘘をつけません。
判断材料として、はるかに説得力があるのです。
普段から内部の空気を感じていれば、大きな決断も一瞬でできるのです。