思考パターン

 

「自分にはなんの特技も強みもないですから」と自分のスペックを歎きチャンスを諦める人や、挑戦を諦める人は少なくありません。

 

しかしこれは、自分が希望する仕事や収入を得られない時の、自分の慰めるための言葉です。

 

あるいはただ卑屈になっているだけかもしれません。

 

「なんの特技もないから、良い条件の会社に入れない」「何の資格もないから、ステップアップできない」「何の強みも専門性もないから、収入の良い仕事に就けない」というのは、裏を返せば「自分だって資格や特技があれば、良い仕事に就けるはず」という事です。

 

つまり「自分は能無しではないし、自分が悪いわけではない」という負け惜しみなのだと思います。

 

もし「自分には何もないから」と挑戦を躊躇しているなら、是非考えて頂きたい問いがあります。

 

最初の問いは、「良い仕事に就くのに、特技や専門性は本当に必要なのか?」という事です。

 

例えば勤務先の会社の上司や同僚を見渡してみる。

 

確かに「まじめ、明るい、社内人脈が広い」「仕事が速い、正確、成績が良い」といった長所を持っている人はいると思います。

 

けれども、特技、専門性、強みと言えるほどのものを持っているかというと、そこまでではない平凡な人が多いのではないでしょうか?

 

では、その上の課長、部長、役員クラスはどうでしょうか?

 

当然、地位に見合った経験・知識・判断力・交渉力があるとは思いますが、そのスタート地点ではみな素人同然だったと思います。

 

専門性を持ったプロフェッショナルというより、普通の人の延長線上で、経験を積んだ事で出世したような人が大半ではないでしょうか?

 

もちろん、世の中には専門性や公的な資格が求められる仕事もあります。

 

例えば研究開発分野などでは高い専門性が要求され、それらの仕事の待遇は比較的良い傾向があります。

 

しかし、そうした高度な専門性が必要な職種はほんの一握りで、ほとんどの仕事は「慣れ」と「経験」で習得できるものです。

 

自分のスペックを嘆く人の背景にある心理は、「特技さえあれば良い仕事につけるはず」という思い込みと、「自分には何もないから、今の状態に甘んじている」という現状へのあきらめと、「自分だって資格を取れば、良い仕事に就けるんだ」という強がりです。

 

これは自己肯定感は低いのに、プライドが高い人に良く見られる思考パターンで、「自分がダメなのは、たまたま資格や専門性を持っていないからであって、別に自分が能無しだからではない」と思いたいのです。

 

そういう思考パターンの人は、仮に資格を取ったとしても良い条件の仕事には就けないと思います。

 

企業が求めるのは、そういう人ではないからです。

 

だから、自分の思い込みとプライドをいったん直視し、「専門性絶対主義」を捨てる必要があるのです。

 

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