ちょっとした嫌な気分や軽い敗北感は、生きていれば普通に味わうものです。
何をやってもうまくいかず、諦めるつもりはないけれど(時には諦める事もあるが)、間違いなく辛い時は必ずあると思います。
大きな問題に見舞われる時もあります。
仕事をクビになったり、離婚届を出されたり、車で事故に遭ったり、その3つが同時にやって来たり。
お守りを持っているだけではどうにもならない出来事が人生では起こります。
そこまで深刻ではないものもあります。
お気に入りのシャツをなくしたり、眼鏡が割れたり、犬があなた宛ての手紙で遊んだり。
夜あまり眠れない人もいるかも知れません。
料理を焦がしてしまった人もいると思います。
そして、ネガティブな体験はたいてい1つの問題で終わりません。
問題は拡散します。
毒ガスのように、人生のあらゆる側面へにじみ出していくのです。
お金の問題を抱えている人は、意識的か無意識化は別にして、食事がストレスになります。
つまり食事を楽しめない。
家族にイライラする事も多くなる。
パートナーに腹が立ち、子供を避けるようになる。
犬が吠えたり、ご近所が騒がしくしたりすればむしゃくしゃする。
渋滞や行列のような小さな事にも我慢できなくなる。
小さな問題が大きなものに拡大していくのは、人生全てが汚染されていくような感覚です。
デスクにこぼしたコーヒーのように、小さな問題はあっという間に大きく広がっていくのです。
茶色い液体が容赦なくパソコンや電話、書類の束に迫っていき、慌てて髪を当てて被害を食い止めようとしても役に立たず、状況は悪化するばかりです。
小さな問題は人生のあらゆる部分に影響を及ぼし、そしてやがて、その問題にまつわる感情が物事を見つめるレンズになっていくのです。
そしてついにはこう考えるようになるのです。
「生きるのってすごく面倒」
「自分には耐えられない」
「どいつもこいつもクソ野郎だ」
「自分の人生は終わった」
こうした思いは、(今はどんなにそう思えても)現実を映したものではなく、現状に対する主観でしかないのです。
ところが、その違いがわかったところで、今まさに泥沼にはまっている人には何の意味もないのです。
というより状況が更に悪化しかねません。
ネガティブな経験のせいで問題を乗り越える気力が湧かず、何より人生が楽しくない。
そんな時は、問題や世界の見方を変える事です。
物凄く前向きで地に足のついた、新しいアプローチを採用する事が大事なのです。