才能に苦しめられる

 

皆さんは、才能が見つかったら、その後の人生はバラ色になると思うかも知れませんが、そうは簡単にいかないのが、現実の人生です。

 

才能を使いこなしている人は、人生で波に乗っている感覚で生きる事ができます。

 

しかし、才能が上手に開発されていないうちは、せっかくの才能があなたを苦しめる事になります。

 

なぜ自分が苦しいのか、本人も分からないのではないかと思います。

 

例えば、人の感情を感じるカウンセラーの才能がある人は、まず自分自身が色んな感情に溺れます。

 

それは、そこから立ち直る体験をする為です。

 

人を励ます才能を持っている人は、ずっとうつの沼に沈み、まず自分を励ます事からスタートする事になります。

 

お金の才能がある人は、お金のトラブルに極小さい頃から巻き込まれます。

 

あるいは、若くして大きな借金を抱えたりして、後の才能が出てくる素地ができます。

 

医者、看護師になる人の中には、小さい頃、家族を病気でなくしたり、本人が病気がちだった人が沢山います。

 

アトピーの専門家には、自分が小さい頃、アトピーで苦しんだ体験を持っている人がいます。

 

ダイエットの専門家は、昔太っていた人ばかりです。

 

速読の先生には、本が嫌いで、識字障害を持っていた人がいます。

 

彼らは、将来自分が専門とする分野で苦しんだ事をバネにして、自分自身の才能を使って、まずゼロ地点まで戻ります。

 

そこから、今度は、同じ才能を周りの人にも使っていくようなイメージです。

 

病気が治る喜び、自分が本を読めるようになった喜び、つまり、絶望が希望に変わった喜びが、ライフワークの原動力となっているのです。

 

才能には、「与えられた分だけ、責任が問われる」という不思議な性質があります。

 

その才能を使い切らないと、その分、本人が苦しむようになっているようなのです。

 

そうやって、才能がちゃんと使われるように設計されているかのようです。

 

人の感情に寄り添う才能がある人は、才能が上手に使えない間は、自分や人の感情を感じすぎて苦しみ、混乱する事になります。

 

セールスの才能があるのに、それを十分に自分のものにしていない人は、お客さんにごまかして売りつけている感じがして、落ち込んでしまったりします。

 

人前で話したり、歌ったり踊ったりする才能があるのに使っていない人は、何か鬱屈したものが溜まって、体も心も重くなります。

 

人を励ましたり勇気づけられる才能があるのに、誰とも付き合わないで引きこもりの生活をしていたら、うつっぽくなってしまうと思います。

 

才能は、ちゃんと使い切らなければ、そのしっぺ返しとして、あなたを苦しめるのです。

 

それはあたかも、人を幸せにする義務を果たさなければ、ペナルティとして自分も幸せになれないかのようです。

 

なぜ、そんな事が起きるのでしょうか?

 

それは、将来、深いところからインスピレーションを得て輝くためには、悲しみや苦しみを先に体験する必要があるからかもしれません。

 

皆さんも、自分が小さい頃に苦しんで、何度も死のうとまで思ったのと同じ状態の人を目の前にしたら、全身全霊で何とかしてあげたいと思うと思います。

 

それが、ライフワークへの情熱に繋がっていくのです。

 

そして、気が付いたら、その為に必要な才能はすべて開いていくのです。

 

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