失敗

 

才能は、地下深くに埋まった原油と似ています。

 

膨大な埋油量を持っている人もいれば、そうでない人もいます。

 

あまり埋蔵量のない人が短期間で原油をくみ上げてしまうと、才能はあっという間に枯渇してしまいます。

 

ミュージシャン、作家、俳優などのように単一の才能だけで勝負しなければならない職種で、長続きする人が少ないのはそのためです。

 

彼らは、このままだとやばいかもと感じたら、自分の立ち位置、見せ方、スタイルなどを微妙に(あるいは斬新に)変えているのです。

 

そうやって飽きられないようにしたり、自分が燃え尽きないように工夫して、長く活動をしています。

 

途中で消えていく人たちは、今までの成功法則にしがみついて、なかなか自分を変えられなかったり、時代の変化に気づきません。

 

そうやって、同じ芸を続けているうちに、皆に飽きられてしまって消えていくのです。

 

長く活躍するためには、たえず自分の新しい才能の泉を掘り続ける必要があります。

 

それだけ聞くと大変な感じがするかもしれませんが、逆に楽しみながらできる作業でもあります。

 

自分の才能らしきものを探す過程で、「これが自分の才能かなぁ」と思ってやり始めると、共通して湧き上がってくるものがあります。

 

それは、「やっぱり違うかも知れない」という感情です。

 

最初は、「私の才能はこれだ」と見つけたものの、実際に行動に移していくうちに違うかも知れないと思うようになったり、自分の才能であって欲しいという思いが強い分だけ、失望も大きくなります。

 

例えば、「チーム作りをしようと思ったら、まとまらずに大失敗した」とか、「スピーチするのが才能だと思ったら、失言してえらいめに遭った」「お金を儲けようと思ったら逆に大損した」など、特に若いうちは、大きな失敗をするものです。

 

ですが、その失敗は決して悪いものではなく、「才能のありか」がわかるように、必然的に起きているのではないかと思います。

 

若い時に経験するマイナスは、その人がしっかり大成するように、わざとゴムを反対方向にグッと引っ張っているようにして起きていると思います。

 

つまり、人生全体で考えて、才能を上手く発揮して生きられるように、失敗も最初から人生プランに含まれているという事です。

 

それに気づいた人が失敗にめげず自分の才能を見つけて成功すれば、失敗につぶれかけた人も、それを見て勇気づけられます。

 

多くの人は、目の前の失敗をマイナスにしか受け止めなかったり、才能を諦めたりしがちです。

 

しかし、起きた事を後で振り返ってみたら、「あー、そういう事だったのか」と腑に落ちた経験を、誰しも一度や二度はしているのではないでしょうか?

 

自分の才能をより本来的な形で生かせるように失敗があるのです。

 

しかし、これに気付かず、「なぜ今までのやり方がうまくいかないんだ」とイライラしたり、「やっぱり、自分に才能なんて1つもないんだ」と思い込んだりすると、負のスパイラルにはまってしまい、ダークサイドに落ちかねないので、注意が必要です。

 

「失敗は、あなたの才能のありかを発見し、生かすためにある」という感覚を持つと、早く才能が見つかり、その才能を生かした人生を歩む事ができるのです。

 

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