オレンジをできるだけ強く手で握りしめたら、何が出てきますか?
もちろん、オレンジジュースです。
そのオレンジジュースを誰が絞ろうが、どのように絞ろうが、どのような器具を使おうが、いつ絞ろうが、オレンジを絞った時に出てくるのは、必ずオレンジジュースです。
同様に、あなたが人間を絞った時、つまり、人に何らかの圧力を加えた時、怒り、憎しみ、ストレス、鬱などが出てきます。
誰が、いつ、どういう方法で圧をかけたかは関係ありません。
もともと、その人の中にあったものが出てきただけなのです。
もし、その人の中に怒りや憎しみなどがなかったら、それは、どんな状況になろうとも、決して出てきません。
ハイウエイで車を運転している時、誰かに割り込みをされてカンカンになって怒ったとしたら、それは自分の中にもともとあった怒りが出てきたのです。
自分の中に怒りをためていなかったら、どんな事があっても、誰かが何をしたとしても、あなたを怒らす事はできません。
あなたに起こっている事はすべて、自分の中にもともとあったものです。
あなたがそれをつくっているのです。
もし、職場で誰かとうまくいかなくて、いじめられていると感じたら、もし自分の子供に尊敬されていないと感じるなら、まず自分自身を見て下さい。
そして自分に聞いてみて下さい。
「なぜ自分はこんな目に遭うのだろう?どうして被害者のように感じるのだろう。こんな気持ちにならないためには、どのように変わったらいいのだろうか?
そして、反射的に次のように思わないで下さい。
「どうしたら彼らを変える事ができるだろうか?」
「どうしたら周りの世界を変えられるだろうか?」
あなたが憎むもの、あなたを悩ますもの、あなたが怒りを感じるものは、実は自分自身の憎しみ、苛立ち、そして怒りなのです。
自分の人生を悩ませている誰かを非難する時、あなたはこう言っているのです。
「もし、彼らが私のようであったなら、私もこんなに悩まされる事はないのに」
しかしながら、あなたが「悟りへの道」を歩むうちに、興味深い事が起こってきます。
「嫌な奴だ」と以前は思っていたような振る舞いをする人たちに出会っても、いつの間にか、「それは彼らの問題だ」と思えるようになるのです。
そして、自分にこうつぶやく事ができます。
「彼らは彼らだ。今、彼らはそう振る舞わざるを得ないのだ。それが彼らの唯一の反応の仕方なのだ。私は愛と思いやり、そして受容の心を持っているのだから、誰に対しても効果的に対処できる。また、彼らの行動を気にしない事もできる。私の問題ではない。彼らの問題なのだから」と。
このように、問題に対するあなたの姿勢が全てなのです。