全てが完璧でなければならないと思い込んでいるなら、あなたは非常に不幸になる恐れがあります。
なぜなら、完璧である事は不可能だからです。
もちろん、それに近付く事はできますが、完璧である事は不可能だという事実を受け入れなければなりません。
皆さんに朗報を紹介します。
あなたは完璧である必要はありません。
完璧主義をやめると、大きな恩恵を得る事ができます。
ハーバード大学の心理学者タル・ベン・シャハー博士は、完璧主義ではなく「最善主義」を提唱しています。
完璧主義が一時的な満足をもたらすのに対し、最善主義はそれよりはるかに高い永続的な満足をもたらすのです。
もちろん、どんなに最善を尽くしても、ときおり挫折を経験することは避けられませんが、適応力があるから、状況にうまく対処できます。
完璧主義者にとっては、物事はいつも全か無かなのです。
例えば、完璧な書類を提出するか、何も提出しないか。
完璧な本を書くか、何も書かないか。
このように完璧主義は非常に好ましくない態度で、自滅を招く恐れすらあるのです。
ただし、完璧が求められる状況もあります。
例えば、手術のように命に係わる状況がそうです。
しかし、他の多くの場合、完璧である必要はありません。
具合の悪い事に、完璧主義は自尊心を台無しにします。
なぜなら、自分は失敗しているという思いが常につきまとい、自分をすんなり受け入れる事ができなくなるからです。
たえず自分を失敗者とみなしていると、健全な自尊心を育む事は至難のわざになります。
完璧主義者は思い切って何かに挑戦しようという意欲に欠けているから、いっこうに充実感が得られず、成功と幸福を手に入れる事ができません。
完璧主義者は人間関係でもうまくいきません。
なぜなら、周囲の批判に非常に敏感なために、たえず身構えてしまうからです。
更に具合の悪い事に、自分のパートナーにも完璧を期待するので、相手を受け入れられず不満を抱きやすいのです。
完璧主義者は不安とストレスにさいなまれます。
なぜなら、失敗するのではないかと絶えず恐れているからです。
完璧主義者は大切な事を先延ばしにする傾向があります。
なぜなら、行動を起こさない限り、失敗せずに済むと考えているからです。
例えば、完璧ではないという理由で書類を完成させようとせず、いつまでもグズグズします。
だから生産性を高める事ができません。
では、完璧主義はどうすれば克服できるでしょうか?
1 自分が完璧主義に陥って行動を起こせずにいる事に気づく。
2 失敗しても、1年後、あるいは10年後に大きな意味を持つかどうか考える。
3 失敗しても再挑戦すればいいというふうに気持ちを切り替える。
4 自分の弱みを受け入れ、完璧でなくてもいいと考えて行動を起こす。
5 自分が最善を尽くしている様子をイメージする。
6 課題に一生懸命に取り組み、「良くない部分は後で改善すればいい」と考える。
7 あまり考え過ぎずに思い切って取りかかる。
8 たとえ完璧に出来なくても、自分にもっと優しくする。
もちろん、これは手を抜いてもいいという意味ではなく、最善を尽くす限り、完璧に出来なくてもいいという意味です。
もし自分が完璧主義に陥っている事に気づいたら、以上の点についてよく考えてみて下さい。
気をつければ完璧主義は徐々に直るはずです。