自己イメージとは、自分は自分の事をどう見ているかという見方や見解です。
つまり、その人の自己イメージをみる事で、自分自身を信じている度合いが分かります。
自己イメージの中核にあるのは、自分の事をどれだけ好きかという「自己愛(セルフラブ)」です。
これは「自己イメージの高い人ほど自分が好き」という事実を思い出してもらえば納得がいくと思います。
自己イメージは、たんにその人が思い描く「自分像」としてのみ存在するのではありません。
その人の司令塔のような役割があります。
人は自分の自己イメージに合った「生き方」「職業」「パートナー」「報酬」「仲間」などを選ぶ傾向にあります。
このため、高い自己イメージをもった人ほど良い方向へ、低い自己イメージをもった人ほど悪い方向へ進んでしまう事が起こり得ます。
例えば、「自分はグズだ。のろまだ」と思い込んでいた人が物事をしっかり要領よくこなすと、「グズな自分が几帳面にやるのはおかしい。こんな自分は自分じゃない」と自分自身に違和感を持ってしまいます。
「自分はグズだ」という自己イメージ(司令塔)が、いつもと違う行動を阻害するからです。
するといつのまにかグズでのろまな人生になってしまいます。
では「グズでのろま」な自己イメージを植え付けたのは一体誰でしょうか?
原因の1つに親の厳し過ぎる叱責が考えられます。
「おまえなんてグズなんだ。決めた事もきちんとやらないで・・・」
「いったい、この子は何度言ったら分かるのかしら。本当はだめね」
こうして親が子供のできないところを指摘して、できるようにしようとすると、それが子供にとってマイナスの暗示となり、問題行動を引き起こします。
その結果、子供は更に厳しい叱責を受け、問題行動を起こした自分に自信がもてなくなり、ますます自己イメージを下げるという負のスパイラルに入ってしまうのです。
それが続くと、だんだんと自分を愛する事ができなくなってしまいます。
それでは、私達の自己イメージは、両親によって決められ、自分たちの力ではどうする事も出来ないでしょうか?
そうではありません。
私達は自己イメージを高めるために、日常生活の中で自分を尊敬し、信頼する生き方を選べます。
理想の自分に近付いていると思えば、自己イメージは高まります。
ありのままの自分を受け入れて下さい。
人生はいつからでもやり直せるのです。