依存や甘えを断ち切り、真の自立した人生を実現するためには、長期的に物事を捉える視点が大切になります。
ところが、自信を持てない多くの人は、目先の事しか考えていません。
私達が抱く感情には「苦痛感情」と「快適勘定」があり、基本的に人は苦痛感情を避ける方向、避ける方向へと向かいます。
その結果、今、やりたい事、ほしいもの、できる事、会いたい人など、目先の願望ばかりを優先しがちです。
これではいつまで経っても自信は形成されません。
以前にも説明したように、自己訓練なくして自己イメージのアップや自信は形成されないからです。
一生ものの折れない自信をつくるのなら、長期的視点で積極的に苦痛感情を受け入れ、自分の理想に向かって努力して行く覚悟と行動力が必要だと思います。
変わる人は全体の2割、約8割の人は変わらないと述べましたが、多くの人は、易きに流れ、「快適感情」におぼれるあまり、なかなか自信を育てられないでいます。
しかし、人は苦痛を味わうと学習し、学習によって自信は育まれます。
苦痛感情を乗り越えた先に真の快適感情があるのです。
「自信がない」という言葉は、一種のコミュニケーションになっているのではないでしょうか?
ほとんどの場合が失敗した時に言い訳をする為の伏線として使われています。
「自分は自信がないのだから、うまくいかなくても大目に見て欲しい」
「私はやれと言われたからやったんです。だから、あなたにも半分責任があります」
こうして誰かに責任を転嫁しているだけではないかと思うわけです。
これはまさに、自信がない人に共通して見られる「依存」と「甘え」だと思います。
左手に求める「理想」があり、右手に「現実」があるとします。
この両者が手のひらをパチンと合わせたようにピッタリと合致する。
すると人は、理想が現実になった快適感情を味わいます。
この時、その人の自己信頼感は高まり、自信が形成されます。
ところが、何の努力をする事もなく、怠惰な生き方を続けていると理想と現実の開きは縮まるどころかどんどん広がり、しだいに自己信頼感も低下し始めます。
目先の快適感情ばかりを追い求めている場合も同様です。
苦痛感情に打ち勝ち、大きな自信を手に入れるためには、人生に目的や理想を持ち、目指す事、つまり長期的な視点を持って生きる事が重要です。
「今」だけを見ていたら、快適感情に飲み込まれ、本当に手にしたいものを手に入れる事ができずに終わってしまうのです。