「自分の強みと弱みをお聞かせ下さい」
よく就職面接で聞かれる定番質問です。
この質問の意図は、自分を客観的に見ているか、自己評価と他者評価にギャップがないかを確かめる事なので、会社側も本人の答えを鵜呑みにする事はありません。
新卒の採用面接の場合には、いきなり自分の強みを活かす部署に配属される事は少ないですし、実際に業務を任せながら、どこに強みがあり、弱みがあるのかを観察されていると考えるのが正解です。
強みや弱みは、先天的に備えている資質もあれば、環境や経験を積みながら後天的に体得しているものもあります。
例えば、入社して経理部に配属され、経理の専門性が高まるような場合は後者です。
経験を積む事で業務のスキルがアップし、それが本人の強みとなります。
逆に、「もともと人と会って話すのが大好き」といった場合は前者になります。
こうした強みをもっている人を活かせるのは、営業や交渉の多い部署です。
1人で黙々と実務を行わなければならない部署では、力を発揮できないかもしれません。
最近では、社員の成長を考える時「弱みを克服するよりは、強みを伸ばすべき」というのが大方の意見になっています。
会社もこうした観点から、なるべく適材適所を目指しているのですが、残念ながら、そこまで目が行き届かない事も多いのです。
どうしても優先するのは、穴をつくらず、穴を埋める事です。
結果的に、本人の強み・弱みを考慮しきれないまま、人員が足りないところに配置するという事も起こります。
そうすると、「会社にとってのプラス」と「本人にとってのプラス」が一致しないケースも出てくるのです。
本当にもったいない事ですが、社員の強みを伸ばしてあげられる環境がいつでも整っているわけではありません。
新たなチャンスをつかみ、上に行くためには「強みを伸ばす事ばかり考えていては不十分」なのです。