「なりたい自分=目標を達成した時のイメージ」を明確にする事が、挫折しない秘訣です。
それと合わせて、もう1つセットでやって欲しい事があります。
それが、「今の自分=現在地」を知る事です。
カーナビに目的地だけを入力しても、車は走り出す事ができません。
現在地が分かって初めて、これからどのルートを走ればいいのかが分かります。
習慣化も同じです。
自分が今どのような状態で、どんな弱点や足りないところがあるかを知らなければ、目標達成に向けて何をどう努力すればいいのかわかりません。
目的地と現在地の間にギャップがある事を自覚しなければ、それを埋めるための努力もできないと思います。
現在地を知る事は、「正しい努力とは何か」を知る事でもあるのです。
また、現在地を知れば、自分の‘‘本性”を正確に知る事ができます。
「習慣とは‘‘本性”」です。
そして他人は、ふとした瞬間に出るあなたの‘‘本性”をよく見ています。
自分が周囲からどう見られているのかを知れば、きっとあなたも「このままではいけない」「自分を変えたい」という思いを強くするはずです。
現在地を知る方法はいくつかあります。
その1つが、自分の棚卸しをする事です。
まずは、あなたが思う自分自身の好ましい点を書き出してみて下さい。
具体的には、次のような事を洗い出します。
・自分の好きなところ
・過去に他人から褒められた事
・特技
・生きる上で大事にしている事
次に、あなたが思う自分自身の好ましくない点を書き出します。
・自分の嫌いなところ
・直したいところ
・悪い癖
・周囲からよく指摘される事
これらをできるだけ沢山書き出して下さい。
誰かに見せる訳ではないので、格好つける必要はありません。
好ましい点も好ましくない点も、思いつくまま素直に書き出す事が大切です。
こうして書き出してみると、「今の自分=現在地」が見えてきます。
おそらく自分でも何となく感じていた事が多いと思いますが、こうしてはっきり言語化すると、冷静に‘‘本性”を見つめ直す事ができるはずです。
現在地を知るもう1つの方法は、他人に聞く事です。
上司や同僚、家族や友人などに、「私ってどんな人?」と聞いてみましょう。
10人くらいに聞いてみれば、他人に見えている自分の‘‘本性がどんなものかわかるはずです。
他人に聞くのは勇気がいるかもしれませんが、自分を客観的に見つめるには非常によい方法です。
中には、「自分はそんな人間じゃないのに、どうしてそんな風に思われているんだろう?」と感じるような答えもかえってくるでしょう。
でも、そこに自分の‘‘本性”を知る大事な手掛かりがあります。
自分ではそんなつもりがなくても、相手がそう思っているという事は、そう思われるような習慣が身についているという事です。
それがわかれば、普段の振る舞いや言葉などの習慣をどう変えればいいのかもわかります。
現在地を知った結果、「自分はこんな人間だったのか」と落ち込んでしまう人がいるかもしれません。
でも、そんな必要はありません。
なぜなら今の自分を知った時点で、その人は習慣化に半分成功したようなものだからです。
現在地を知らずに、根性や情熱だけでがぶしゃらに前へ進んだとしても、目的地に着く事は不可能です。
どんなに努力をしても、決してゴールには辿り着けません。
これほど虚しい事はありません。
でも「なりたい自分=目的地」を明確にし、「今の自分=現在地」を知った人は、正しい努力をして着実にゴールへ辿りつく事ができます。
「頑張れば必ず目標を達成できる」と信じられれば、途中で挫折する事もありません。
習慣化するには、「目的地」と「現在地」をセットで設定する事が不可欠だと覚えておいて下さい。