私たちの脳には「ミラーニューロン」という神経細胞があります。
1996年にイタリアの脳科学者によって発見されました。
人は他人の動作を見ている時、この神経細胞の働きによって、自動的にその人の真似をするという事がわかっています。
イメージしやすい例でいれば、人があくびをしているのを見ていると、別に眠くもないのに自分もあくびをしてしまうという事です。
他にも、隣の人の緊張がうつってしまうなど、脳は「無線LAN」のように、常に色々な人と繋がっています。
現代の科学では計測できない周波数でお互いにコミュニケーションを取っているという仮説を、私は‘‘脳のネットワーク’’と呼んでいます。
厄介な事に、脳の発作でも同じ事が起きます。
他人の発作が脳のネットワークによって伝染してしまい、「私も発作を起こしてしまう」という事が起きるのです。
この例で言えば、一昔前、アイドルのコンサートで何人もの観客が倒れてしまうという事が時々起こりました。
これは脳の発作が他人に伝わっているからです。
「キャ~!」と興奮し過ぎて1人が失神すると、それが伝染して、何人もが失神してしまうのです。
あるいは駅伝大会などでも見られます。
1人の選手が低血糖の発作を起こして倒れてしまうと、その大会で何人もの選手が同じように低血糖の発作を起こして倒れてしまうという事があります。
これも「自分もあのように倒れてしまったらどうしよう?」と不安になった時に、発作を起こした人の脳とネットワークでつながってしまって、発作が伝染するからなのです。
そしてそれは「出来ない時」にも近くに発作を起こしている人がいるのです。
いくら自分が冷静に対応していても、周りに脳の発作を起こす人がいると、その発作が脳のネットワークで伝染してきて、自分の脳も発作を起こしてしまいます。
ですから「思った事ができない」となっている時は「近くに発作を起こしている人がいるかも?」と疑ってみて下さい。
その人の発作が伝染してしまうから、脳内で自由が奪われて、自分が本当にしたい事ができなくなるのです。