自分の価値観

 

自己肯定感が低い人は、他人からどう思われているかを必要以上に気にするあまり、相手に踏み込んで聞く事を恐れます。

 

その為、ちょっとでも不満な事があったら、自分の気持ちを相手に伝えたり、なぜそのような態度を取るのかなと聞いたりせず、自分の方から引いてしまいます。

 

あるいは、メールの返信がない、挨拶がぞんざいだった、軽くあしらわれた、無視された、というだけで、「ああ、この人は自分の事を嫌いなんだ」「裏切られた」と勝手に思い込み、自分から距離を置きます。

 

しかし、相手は別にその人の事を嫌いなわけではなく、ただ返事を忘れただけとか、考え事をしていて挨拶が疎かになった、忙しくて気持ちに余裕がなく不遜な態度になってしまった、たまたま気が付かなかった、というだけの事かも知れません。

 

なのに、相手に確認しようとせず、「あの人は礼儀知らず」「あの人は怠け者」「あの人は傲慢」などと、たった1つの言動だけで、その人の全人格を決めつける傾向があります。

 

自己肯定感が低い人は、相手に踏み込んで自分の本心を伝えたり、逆に相手の本心を聞こうとしないため、先入観や固定観念が非常に頑固になりがちです。

 

そして思い込んだら曲げる事ができません。

 

事実を示しても、「そんなのはおかしい」と、事実をねじ曲げてでも自分の考えに固執します。

 

たとえば、医者にかかったら薬を出してもらうべきだと考えている人は、副作用が大きいから薬は処方しないと医者に言われたら、ヤブ医者非難します。

 

経済学は正しいと考えている人は、経済学では説明できない相場動向や経済状況を前にすると「経済学的にあり得ない」と、事実の方に目をつむります。

 

それでいて、例えば「昼休みに仕事をする同僚はおかしい」などと、「そんなのどうでもいいじゃん」と思えるような、ちょっとした事にこだわります。

 

また、相手がどうすれば喜ぶかではなく、「こうすれば相手は喜ぶはず」と自分の思い込みで行動します。

 

その典型例が「あなたのためを思って言ってるのよ」という親や親戚、先輩のセリフです。

 

これも、自分の考えとは異なる相手が不満で、ただ自分の価値観を押し付けて本人が安心したいだけです。

 

その理由を「あなたのため」とすり替えて言い訳をしているのです。

 

これも「自己肯定感が低い人」の特徴的な行動パターンのひとつです。

 

自己肯定感が低いがゆえに、自分の価値観の方が正しいのだと確認したい。

 

相手を否定して自分が上になるという優越感を得たいのです。

 

相手には相手の事情や都合や考え方があるという事に思いが及ばず、自分の考えが全て正しいと思いたいのです。

 

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