受け流し

 

自己肯定感が低い人は、周囲からいい人と思われようと無理をするあまり、こじらせて引きこもりや鬱になりやすいと言えます。

 

彼らは今まで、様々な場面で他人との摩擦を避け、対立を避け、人間関係のトラブルを自力で解決するという事から逃げてきました。

 

自分の本心を他人にぶつけ、議論し、違いを理解し、分かり合っていくという経験が非常に乏しいのです。

 

そのため、人から嫌われた時に、どうしていいかわからないのです。

 

拒絶された時に、どうしていいかわからない。

 

他人と対立した時に、どうしていいかわからない。

 

だから、バイト先でちょっと叱られただけで、自分の全人格を否定されたように感じ、ひどく傷つきます。

 

その痛みを乗り越えてきた経験が少ないため、次の日から無断で仕事に穴を空け、引きこもります。

 

では、なぜ人は鬱になったり引きこもりになったりするのでしょうか?

 

実はこういう人は、プライドと自己保身願望、そしてセルフイメージが非常に高いのです。

 

しかし現実はその高さと一致してくれません。

 

他人から拒否される事もあれば、自分の言動が否定される事もあるなど、イメージしていた自分と現実の評価や扱いが異なるのです。

 

自分の思い通りにならない社会は何だ。

 

なぜ自分ばかりこんなに傷つくのか。

 

本来は現実に直面しながら、周囲の評価と自分のセルフイメージをすり合わせ、修正し、自分を納得させ、それを受け入れていくものです。

 

しかし、誰とも会わず、誰とも会話しなければ、そうした場面に直面しなくても済みます。

 

だから、傷つく事を恐れて外界との接触を断ち、引きこもったり、自分の世界に閉じこもったりします。

 

そして、このプライドの高さが社会復帰への大きな障害となります。

 

彼らは何が何でも傷つきたくないからです。

 

無能に思われてはいけない、失敗してはいけない、舐められてはいけない、自分の主張が否定されてはいけない。

 

しかし社会で他人と関わって生きる以上は、自分の意見や主張が受け入れられない事はあります。

 

ミスして叱責やクレームを受ける事もある。

 

比較され、敗北感を突き付けられる事もある。

 

それを受け入れたり、受け流せる度量を身につけるには、その高すぎるプライドを捨てる事です。

 

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