自己肯定感が低い人は、他人からいい人と思われたいという願望が強い傾向があるというのは、すでにご存じだと思いますが、それは自分の評価を自分ではなく他人に委ねているという事を意味します。
そのため、自分に自信を与えてくれる何かを欲します。
その1つが「所有する事」です。
モノがあるという安心感、モノを持つ事ができる自分に満足感を覚えるからです。
これは自己投資の分野でも同じです。
自信がないから評価されたい。
だから評価されるに値する、目に見える何等かの称号を所有する事で安心を得ようとします。
その典型例が資格や学歴です。
資格や学歴は一定の知識や学力が認定されたものであり、公的なお墨付きがある、誰にでもわかりやすい称号です。
だから自分に自信がない人は、こうした形のあるものを欲しがります。
しかし資格や学歴を気にする人は、努力がなかなか報われにくい傾向があります。
なぜなら、そもそも「所有」する事が目的なので、その資格や学歴をどう使えば稼げるかとか、どう活用すれば自分の世界が広がるかという意識が希薄だから、あるいは最初から考えた事もないからです。
本来は手段であるはずの資格や進学が、目的になってしまっているのです。
彼らにとって重要なのは、その称号を得る事です。
それで自分は頑張ったという自信になり、資格や学歴を得れば自分の人生が変わると思っています。
しかし現実はそうではない事は、言うまでもないと思います。
学生時代や若い頃に貰った表彰状、カップ・トロフィー・メダルなどを、何十年たっても部屋に飾っているような人も、自分を支えてくれる大切な自信の根拠として手許に置いておきたいという、いわゆる過去の栄光にすがるタイプであり、現状に納得できていない可能性があります。