個性に関して、こんな話があります。
「日本の人は、皆、どことなく似ているよね・・・」
海外の人達に、日本人はこのような印象を持たれているようです。
これは実際に顔の造作や体形がそっくりというのではなく、多くの日本人が同じような髪形やファッションをしているからという理由のようです。
個性が悪目立ちして恥をかかないように、多くの人と同じファッションをしておけば、とりあえずセーフだろう。
多くの人と同じスタイルで就活しておけば、とりあえず面接でもマイナス点がつく事はないだろう。
このように、見た目で周囲とずれる事を、必要以上に気にし過ぎるのが日本独特の感覚です。
流行のファッションでも、就活スーツにしても、皆と一緒のスタイルをする事で自分の存在価値を確認する、という思考パターンがあるように思います。
「皆と一緒だと、なんだか安心する」
こうした考えは、私たち日本人が幼少期から受けてきた教育のあり方が大きく関係しています。
例えば教室に「人の迷惑にならない子供」などという張り紙があったように、私たち日本人は、子供の頃から集団の規律を何より尊重し、皆と横一列に並んでいる事が安全なのだと教えられてきました。
けれどもそれによって、とても残念な事に、自分の「個性」を意識する習慣が失われていきました。
目立つ存在になって嫌われたくない為に、自分を押し殺して他人と足並みを揃えているだけでは、相手にとってあなたは誰なのかが分かりません。
たとえ名前はあっても、相手にとって何の印象も残らない、そこそこメリットだけをくれる無難な「いい人」で終わってしまうのです。
多くの仕事が人工知能(AI)に受け継がれる事が確実となった今、まず仕事を奪われるのはこうした代替可能な「その他大勢」の人々です。
そう考えると、これからの時代で恐れるべき事とは周囲から浮く事ではなく、逆に、周囲に埋没する事なのではないでしょうか?
個性を出して、自分らしさ、ユニークさを発揮して、自分だけの付加価値をつくり、経済的にも認められる・・・。
そんな人が、今の日本にもっと増えていくべきだと私は強く思います。