「誰からも好かれたい」
「誰にでもいいところを見せたい」
このような人を、「八方美人」と呼んだりします。
一般に、八方美人という言葉は誰にでもいい顔をしている「抜け目のない要領のいい人」といったイメージで否定的に解釈されがちですが、私はこの八方美人を人間関係において極めて高度なスキルだと考えています。
というのも、人によっていう事、やる事、付き合い方を柔軟に変える事ができるという事は、相当に気配りができて頭が良いという事の証明でもあるからです。
つまり、八方美人という言葉は、人から嫌われる事を恐れ、誰にでも好かれようと愛嬌を振りまくだけの「いい人」とは真逆の人間を意味しているのです。
例えば、
「今、こんな事を言えば目の前の相手が喜ぶだろう」
「先読みしてこれをやっておけば、この人は助かるだろう」
といった事を瞬時に考えて行動するには、かなりの洞察力が必要です。
嫌われる事を恐れ、自分の保身ばかり考えている人には、どう頑張っても相手の心の中を読む事はできないからです。
その点、どうすれば相手に喜んでもらえるかをいつも真剣に考えているような思考回路の人は、誰からも好かれ、何をやっても受け入れてもらえるという事になるのです。
ですから、もしあなたが八方美人になろうと思ったなら、いつも頭をフル回転させていないといけません。
何気ない会話や相手の仕草などから、相手が今何を望んでいるのかを見抜かなくてはならないのです。
八方美人は、周囲の機嫌をとる事を優先し、何もせずに流れに身を任せてさえいれば批判される事もありません。
ですが、他人から批判をされるという事は、あなたが何かをやっている証拠でもあり、前に向かって歩こうとしている証拠でもあるのです。