1人を恐れる

 

かつて「ぼっち飯」「便所飯」という言葉がメディアをにぎわせたように、「いい人」に多いのが、1人でいる事を極度に恐れるという傾向です。

 

しかし実際のところは、1人でいる事そのものよりも、「1人でいるところを見られる」事が恐怖なのです。

 

なぜかというと、いい人は他人の目を非常に気にするからです。

 

1人でいるところを見られて、「あの人は孤立して気の毒な人間じゃないか」「いつも1人でいるあの人は変な人なんじゃないか」「友達がいない寂しい人なんじゃないか」と思われるのではないか、という「自分が勝手につくり出した他人の声」が気になり、その見栄が恐怖を煽っているわけです。

 

そしてそれを避けるために、自分があまり好きでない人とでもつるんだり、あるいは価値観の合わないグループでも無理に所属したりします。

 

無理矢理他人と一緒に居ようとする事は、自分の自由にはならない事もあるため、とても疲れる行為のはずですが、1人でいるよりはマシという事なのだと思います。

 

そもそも、1人でいる事、1人でいるところを見られる事は、そんなに恥ずかしい事、避けたい事なのでしょうか?

 

1人でいるからといって別に気の毒な人でもないですし、特別に変な人でもないと思います。

 

それに、「あの人、友達がいない寂しい人なんだ」と思われたところで、何か困った事は起こるのでしょうか?

 

現実問題として、何も困る事はありません。

 

例えば、1人で焼肉屋や居酒屋に行っても、回りにいるのは見ず知らずの他人です。

 

交流するわけでもないですし、店を出たら顔はもちろん、存在すら忘れてしまう人たちがあなたに対して何を感じようと、あなたには何のメリットもデメリットもありません。

 

他人が攻撃してくるわけでもないですし、あなたの財布からお金を奪っていくわけでもないですし、あなたの仕事の邪魔をするわけでもないと思います。

 

つまり、本人が勝手に居心地が悪いと感じているだけなのです。

 

1人ではつまらない、寂しいというのは事実かも知れませんが、自分を窮屈にするものの正体は、他人からこう思われるのではないかと気にする自分の心であり、強迫観念なのです。

 

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