孤立や孤独を恐れる「いい人」は、いつも友達と一緒に居ようとします。
そして、そういう人ほど、どこか軽いというか、考えが浅い印象を受けます。
逆に子供でも学生でも、1人でもポツンとしている人ほど、話すととてもしっかりしている事が多いように感じます。
おそらくこれは、1人で思考する時間の長さに起因しているのではないかと考えています。
想像力や発想力の源泉は、基本的に個人にあります。
例えば漫画家、作家、作曲家、学科、書道家、陶芸家など、クリエイティブな職業についている人は、たいてい個人です。
自宅やオフィスにこもって黙々と作業したり、あるいは散歩しながら考えたり、1人でいる時間があるからこそ、人の感情を揺さぶるアウトプットが出せるのではないでしょうか?
そうした面だけではありません。
人間が自己を確立するには孤独な時間が必要です。
1人でいれば、自分の生き方や将来設計をじっくり考える事ができます。
自分の思考を整理する事もできます。
仕事や趣味に没頭するというのも、外界との接触を断って自分1人で取り組む事です。
つまり「1人でいる」事は「思考する」事でもあります。
悩みや不安も、本人がより成長するための燃料になります。
相手の事を真剣に好きでなければ恋愛で悩まないですし、勉強に興味がなければ成績が伸びない事に悩まないはずです。
そして悩みや不安を自分の中で認識し、耐えたり乗り越えたりする事も、1人でやるべき内面の作業です。
そういう意味において、1人でいる時間をつくる事は、きわめて重要な投資行為だと考えています。
反対に、他人といる時に、自分の内面を深く掘り下げる事は難しいものです。
誰かと会話やメッセージのやりとりをしている時など、他人に影響されている場面では、本当に自分がやりたい事、好きな事、嫌いな事、したくない事に深く思いを馳せる事は難しいと思います。
たしかに、他人とディスカッションする事で、より良いアイデア、よりレベルアップした解決方法が見つかったり、勇気づけられたり、気づきを得たりする事はあります。
しかし、もっと重要な事は、自分自身の物事に対する捉え方や、それに対する感じ方を整理したり、レベルアップさせたりする事です。
他人とのかかわりから離れ、1人で自分の心と向き合う時に、自分固有の価値観や在り方が見えてきます。
今までの経験を元に、自分の方向性が整理されます。
すると、他人の目に縛られていた自分を解放できます。
1人でいてこそ、他人の影響から逃れ、自由に心を模索する世界を手に入れられるのです。
1人になって自分の内面と対話するのは、豊かな時間に感じられるようになると思います。
この快感というか、満たされた時間を実感できると、1人でいる事が寂しくなくなります。
誰かと一緒でも楽しいけど、1人でも楽しい。
孤独や孤立を恐れない、強い自己が育まれます。
すると、「ぼっち」を恐れる事もなくなり、むしろその方が好都合くらいに思えてきます。