いい人は稼げない

 

いい人ほど、お金を稼ぐことに対する罪悪感があります。

 

だから、正当な対価の要求や思い切った値付けができません。

 

稼ぐ事は他人からお金を搾取して、自分だけが得しているような感情になるからです。

 

更にいい人は、嫌われたくないから断る事が苦手なので、安易に頼まれ事を引き受けます。

 

更に、自分の価値は低いと思い込んでいるので、労力に見合った報酬を要求する勇気もありません。

 

例えばちょっとITに詳しい人が友人のホームページづくりを手伝ってあげた時も、「自分は別にプロじゃないから、お礼なんていいよ」など、必要以上に安く、あるいはタダ同然で働きます。

 

もちろんこうした姿勢によって、信頼を得る事や、のちにチャンスを引き寄せるきっかけになる事もあるため、必ずしも無駄ではないのですが、むやみに安請け合いする事は、ずるい人にうまく利用されてしまう事になり兼ねません。

 

ずるい人は、相手に感謝するという観念が抜けていますから、「ありがとう、助かったよ」と言われて終わり、何か恩返しをしてくれる事はないのです。

 

こうしていい人は、労力のわりには稼ぎはそれなりで終わってしまう事が多いのです。

 

しかし「稼ぐ」ことは本来、相手に対する貢献です。

 

例えば、レストランに行っても、食事が美味しく気持ちの良いサービスをしてもらったら、「ご馳走様でした」とお礼を言って代金を払い、「またこの店に来たい」と思うのではないでしょうか?

 

逆に、料理がまずいとか店員の接客態度が最悪だったら「二度と来るもんか」と思うはずです。

 

つまり、「お金をいただく」とは、「相手に喜んでもらう」と同義だという事です。

 

にもかかわらず、お金を稼ぐ事に罪悪感を覚えるという人は、「相手に喜んでもらいたくない」と言っているのと同じという事になります。

 

そして、普通の人によって、無償奉仕され続けるというのは、実は精神的な負担にもなるのです。

 

つまり、商品・サービスの提供には、お金のやり取りがある事で相手と関係がフェアで長続きするという事です。

 

そう考えると、お金をいただくのは申し訳ないという人は、相手に心理的な負担をかけたいというのと同じだという事になります。

 

だから、価値を提供してお金をいただく事は、必要不可欠であり尊重される行為なのです。

 

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