「いい人」が生まれる原因は、幼少の頃の家庭環境の影響が大きいとはいえ、今更親のせいにしても仕方ありません。
でも、抜け出す事ができないのかというと、もちろんそんな事はありません。
戻る事はできなくても、抜け出す事はできます。
息苦しさから抜けられない人のほとんどは、深く思考する事が苦手です。
だから感情に振り回されてしまい、解決方法を論理的に考える事ができません。
自分の本音と向き合うのを恐れ、自分との対話を避けているため、いつまでも本当の自分がわからない。
他人にも本音を見せない為、自分の言動によって起こる相手の反応を通じて、自分の振る舞い方を修正するという事も出来ない。
だから解決方法は、その逆をするのです。
自分を縛るものや生きるのがつらいと思わせているものは、自分のどういう感じ方や考え方、捉え方なのか。
事象や事実に対する捉え方を変えるには、自分の思考パターンを意識し、どう修正すべきかを、考える必要があります。
同じ状況に遭遇しても、平気な人もいれば傷ついて悩む人もいます。
つまり、自分を縛っているのは、状況を悪くとらえてしまう自分自身の思い込みや固定観念です。
つまり、自分で自分を縛り、自分で自分を苦しくさせているのです。
自分で自分を変えるためには、自分の心と対話する時間を増やす事です。
自己との対話は、自分の本音を認めるのが怖いとか、考えたくないとか、面倒くさいといった自分との戦いでもあります。
その戦いに打ち勝たなければ、自分の感じ方、物事の捉え方はそのまま変わる事はなく、つらい人生が続くだけです。
だからこそ、自分の本音に向き合う時間をつくる必要があるのです。
もし自分で考えても、思考が堂々巡りをしてうまくまとめられないという場合は、「感情日記をつける」という方法があります。
日記に文字として吐き出す事で、自分の感情や意識を可視化して、冷静に考えやすくなります。
というのも、文字として自分から離れた瞬間に、それを客観視できるようになるからです。
例えば、むかついた相手に対しての暴言を書くなど感情を吐き出すと、意外にすっきりします。
その場で言えなかった悶々とした思いも、後で反論を日記に書いてみると、こういう人には次からどう対応すべきか、冷静に考える事ができます。
自分の中にもやもやとした思いがある場合、それは自分と一体なので客観的に捉える事は難しい。
それを自分からはがして紙に移す事で、幽体離脱して自分を上から眺めるがごとく、より冷静に客観的に自分の感情と向き合えるようになります。