仕事や育児に追われる日々が続いた時、「1人になりたい」とふと感じる事はないでしょうか?
もしそうなら、あなたの心はとても健全だと言えます。
なぜなら、1人になる事、つまり孤独には「自己回復機能」があるからです。
私達は毎日いろいろな人や出来事に遭遇し、様々な経験を重ねていきます。
また、沢山の新しい情報や知識も吸収していきます。
それらによって、不安や怒りを覚えたり、嬉しかったり悲しかったり、様々な感情を抱きます。
時には自分の価値観や意向とは異なる状況に直面したり、意に沿わない結果を受け入れざるを得ない事もあると思います。
そういった自分に起こった出来事や状況と、自分の価値観をすり合わせ、自分が納得する意味合いをつけるという、心身を統合させる作業が私達には必要なのです。
例えば「不幸中の幸い」などという捉え方があるのも、仮に不本意な事があったとしても「自分にとってはこういう意味があった」と、自ら消化しようという古人の教えなのだと思います。
そうした思考によって納得感を得られれば、ストレスも軽減され、心のバランスがとれます。
結果として心の安定だけでなく、充足感やモチベーションにもつながります。
これが「自己回復機能」です。
しかし、1人で自分の中に向かい合わなければこの機能は作動できます。
だから忙しい日が続くと、人は孤独になろうとするのです。
また、人と会うという行為には、相手に合わせてうなずいたり、こちらから話題や情報を提供したりするなど、大量のエネルギー消費が伴います。
本当の社会性の高い人はそうではないようですが、それが続くとエネルギーは枯れていきます。
「沢山の人と会って疲れた」と感じるのも、それだけ気を遣って消耗しているわけです。
そして、そのエネルギーを再生させるのも孤独の時間なのです。