「自己実現」という言葉をよく耳にしますが、何もバリバリに活躍する事だけを指すわけではありません。
自分の本心に従って生きていく事、それが許される環境・世界をつくる事もまた、自己実現の1つです。
孤独を楽しめる人は、本音ベースで生きています。
ありのままの自分でいいと思っているから、嘘偽りもなく、無理して周囲に迎合する事無く、常に自然体でいられます。
それは、自分らしく生きるという事そのものであり、「自己」をそのまま実社会で「実現」している事に他なりません。
ことさら華やかな活躍でなくても、素の自分を堂々と出して生きられる事は、自分への自信、自分の人生への信頼感と、将来に対する明るい希望を持つ事ができる、「幸せ」な生き方といえると思います。
しかし孤独を恐れる人は、この意味における自己実現ができません。
1人にならないよう、自分を押さえて周囲に合わせて生きているからです。
集団からあぶれないよう、自分の思いよりも周りの意見・価値観に配慮して行動するからです。
見た目は華やかで活躍しているような人でも、仲間にちやほやされたいあまり、常に神経をすり減らしながら気配りをしている人も少なくありません。
これは著名人にもよく見られるのですが、いつもSNSの「いいね」の数を気にし、「インスタ映え」を意識し、他人からの評価のために行動している人は、本当の意味で自己実現はしていないと言えます。
ではどうすれば、この「心の自己実現」ができるのでしょうか?
その方法の1つは、「自分にとって本当に大切な事と、そうでない事」を分別する事です。
それは思い込みや社会の常識、他人からの価値ではなく、自分なりの明確な判断基準を持つ事です。
仮にそれが好き嫌いにもとづくものであっても、その好き嫌いを分かつ自分の価値観を探ってみるのです。
そして、本当に大切な事を最優先し、そうでない事は後回しにするか、力を抜くか、そもそも関わらないという判断をする。
そういう「人生の最優先順位」を明確にしていけば、大事でないものはあっさりと捨てられる胆力がつくし、もっと大事な事が発生すれば、今やっている事はスパッと諦めて、そちらに飛び移る事もできます。
すると、その場しのぎでズルズル時間が過ぎるという事がなくなります。
自分を貫く事で孤独になるかもしれないという恐怖感もなくなるのです。