孤独のメリット

 

インターネットの普及やメディアの多様化によって、こんなに情報量が増えたにもかかわらず、なぜクリエイティブなアウトプットができる人と、そうでない人がいるのでしょうか?

 

結局、情報や知識を得る事単体では価値を持たせる事はできず、それをどう編集・加工していくかが重要だという事だと思います。

 

そしてそれには、1人になる時間が必要です。

 

他人が入り込むとそこで思考が中断されますが、1人でいれば誰にも邪魔されず、得た情報をもとに黙々と分析したり自分のイメージを膨らませたりする事ができるからです。

 

クリエイティブ人材は、そうやって孤独の中からアウトプットを生み出すのです。

 

アイデアの原石を取り入れるには、たしかに外部からの刺激が必要ですが、アイデアを発展させるためには、他人と共有されない1人の時間が必要です。

 

外界からの刺激で何かをひらめいたとしても、それをいったん自分に引き寄せ、自分の中で加工していく必要があるのです。

 

他人とのディスカッションで良いアイデアが出たとしても、自分の感性で練り込んでいく必要があるのです。

 

多くの人は、ただ知るだけ、外界からの刺激に感情的に反応するだけ、という事がほとんどです。

 

ただ単に読むだけ、覚えるだけ、「けしからん」と反発するだけ、なるほどと納得するだけの方が楽だからです。

 

しかしクリエイティブな人間やイノベーションを起こせる人材は、その刺激を加工・応用し、発想や自分の行動を錬磨するべく内的作業をする思考の癖があります。

 

それは「こうかもしれない」「こういう事もありうる」と、外側の世界を自分内部の思考の枠組みに引き寄せ、その中で理解し創造しようという試みです。

 

そしてそうした思い付きに似た仮説を、現実と照合し検証したり、作品として世に問うのです。

 

いわゆるビジネスの現場で活用されているブレインストーミングやディベートも、他人がいなければできないのではなく、この作業を1人で繰り返しているのが優秀なクリエイターです。

 

つまり自分の中に独力で場を作り、その思考の場の中で複数の違う自分を立ち上がらせて、相互にディスカッションできる人こそが、次々と問題解決策を思いついたり、独創的なアイデアを紡いでいけるのです。

 

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