嫉妬

 

同僚や後輩が先に昇進した。

 

社内で注目のプロジェクトに自分ではなくあいつが指名された。

 

あの人が家を買ったらしい。

 

あの人は一流企業の幹部らしい。

 

あの人の子供が有名な名門校に受かったらしい・・・。

 

それで心がザワザワする、屈辱を覚えるというように、嫉妬や妬みなど一般的に醜いとされる感情は、他人と自分を比較し、自分の優位性が脅かされた時に起こります。

 

実際には、他人の方が自分よりも優位にある事が頭では分かっていても、その現実を受け入れられないと時かもしれません。

 

また、自分の大切な人が自分以外の人に愛情や評価を向けた時にも、嫉妬は起こります。

 

これもやはり自分の優位性が脅かされているからです。

 

そもそも、嫉妬は他人と比較して起こるものです。

 

他人と比べなければ自分の優位性が損なわれる事はないので嫉妬も起こりません。

 

でも現実にそれは難しい。

 

人間は誰でも承認欲求、自分を大切にする自己愛があり、他人より優れていると思う事で自分の存在価値を確認し、安心感を得たいものです。

 

これは生物としての人間の本能だと思います。

 

男性は他のオスより力がある事を誇示してメスにアピールしようとしますし、女性も他のメスより自分が魅力的である事を誇示し、より有能なオスの遺伝子を得ようとします。

 

つまり、嫉妬は人間に本能的に備わった感情なのですが、多くの人はこの嫉妬についてネガティブで醜い感情だという印象を持っています。

 

とはいえ、嫉妬は本当に煩わしい感情でしょうか?

 

感じるべきではない醜い感情なのでしょうか?

 

一方で、「人間のあらゆる感情は必要だからこそ生まれる」という観点に立てば、嫉妬はどういう意味を持つのでしょうか?

 

嫉妬が起こるのは「自分の優位性が脅かされた時」ですから、この感情は恐怖や不安と同じく、人間の防御本能と捉える事ができます。

 

「他人の方が自分よりも優位にある」のは「自分の生存が脅かされる」という事で、「このままではいけない」と気付く事でもあります。

 

つまり、嫉妬とは「もっと努力が必要だと気付くチャンス」であり、「上昇のための燃料」になりうると考える事ができるのです。

 

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