自分の目を通して描く外界の輪郭、つまり世界観は、孤独の中で1人で深く考える事によって構築されます。
また、人間は他の人と触れ合うから成長するのではなく、他の人と触れ合った刺激を自分の内部に取り込み、それを自分の信念や価値観とぶつけてより適切な言動を選択できるようになるために自らを変革させて成長するのです。
つまり、他の人と触れ合えば成長できるというものではないのです。
大勢の人と会っていても未熟な人は沢山います。
ただ友達が多いだけの人の方がかえって薄っぺらい印象を持つのは、外部の刺激を受けるだけで、自分の内部にそれを取り込み咀嚼する時間が持てない為ではないでしょうか?
あらゆる事に当てはまるのですが、全ての人に「楽しい」「つまらない」「幸せ」「不幸」などという客観的な状態があるわけではありません。
例えば、同じ日本人として日本に生まれながら「未来は暗い」と言う人と「未来は明るい」と言う人がいますが、このように真逆の解釈になるのは、その状態に対して自分がどう受け止めるかによって変わる事を表しています。
それを幸せな受け止め方に変えたいなら、物事のポジティブな側面を見るように意識する必要があります。
そのためには、自分を離れた所からあるがままに見つめる事ができる、そんなもう1人の自分を育む事です。
自分の心の声を素直に聞く事ができるようになると、どんなに迷う事があっても直感的に、自分の思いに沿った判断ができるようになります。
同時に、過去の出来事や経験を振り返って観察し、それを履歴として整理しておく事によって、自分の身の回りで起こる事はある程度予測できるようになります。
いわゆる「想定の範囲内」にする事ができるのです。
そういう積み重ねがあれば、自分がやろうとしている事に対して、どんな事態が発生し、どうやって対処すればいいかがあらかじめ想像できるので、心の余裕や安定にも繋がります。
他人と一緒に居れば、自分と向き合う時間がその分少なくなります。
1人だからこそ自分と向き合えるのです。
一流の人間が落ち着いて行動しているように見えるのは、表に出ないこうした内的作業を無意識下で繰り返し行っているからです。
瞬時に状況を整理して理解できているので、目の前の事でいちいちうろたえり、感情が揺さぶられたりしないのです。
そうなるにはやはり1人で考える「内省」の時間が必要なのです。