自分らしく生きるという事は、本音で生きるという事です。
それは自分の個性を出すという事ですが、他人とは違う個性があるから、周りの評価は好き嫌いなどによって分かれる事になります。
それはつまり、自分のところを去る人がいる一方で、親密になれる人もいるという事です。
しかし自己肯定感が低い人は、自分を押さえてでも周囲に合わせようとする傾向があります。
しかしそれでは、ますます孤独感が強まります。
仮にグループの中に居ても、自分は浮いていて、なんとなく輪になじんでいないような感覚を覚えます。
なぜかというと、自分が心を開いていないからです。
本当の自分を押さえて出さないという事は、周囲に心を開いていないという事です。
心を開いてくれない相手は何を考えているか分からないから、当然相手も心を開いてくれないわけです。
自己肯定感が低い人は、「繋がっている感覚」が欲しくて誰かと一緒に居る事が多く、そういう人間同士の関係は、単なるもたれ合いで深いつき合いになる事はありません。
なぜなら、自分の孤独を癒やすために相手を利用しているだけで、相手に心を開いているわけではないからです。
そして、そういう人の周りにはやはり同じような人が集まりますから、相手も同じように心を開かないのです。
こうした人の心理はともするとSNSなどでも、例えば仲間と一緒という姿を痛々しいほどアピールするといった、過剰な自己防衛行動となって現れます。
そもそも人とのつながりは、人生の質を高める過程で感じる感覚であって、自分の価値を証明する事ではありません。
自分が人と繋がっている事を周囲にアピールし「自分は孤独ではない、寂しくない」と安心したいがために、他人の存在を利用し続けるのは非常にしんどい事です。
一方、適切な自己肯定感を持っている人は、自分が孤独でない事を証明する必要はありませんから、自然体で相手と接する事ができます。
なんとかして好かれよう、嫌われないようにしようという緊張感がありませんし、こんな事を言ったら変と思われないかな、嫌われないかな、と制限しながら会話する必要もないですから、空気も発言も穏やかです。
それは相手にも伝わります。
寂しさを紛らわすためという発想はありませんから、同調圧力も監視もなく、自然な付き合いです。
自分は本音を言ってもいいし、相手の本音も受け止められる。
それが自分の考えと違っていても、「そういう考え方もあるよね」と認め合う事ができる。
他人にしがみついたり、他人を利用しようという打算がありません。
つまり良質な人間関係を維持できるというわけです。
それこそが、本音でつき合える関係と言えるのです。