外向的か内向的かは、例えば色鉛筆の青と緑を比較しても優劣はつかないのと同じで、「良いか悪いか」ではありません。
ではなぜ、自分の性格に悩む人が少なくないのでしょうか?
それは、「外向的でなければよかった」という思い込みに執着しているからで、その執着を外してしまえば、それは悩みではなくなります。
そもそも内向的というのは、単に人間関係の中で目立たないだけで、仮にコミュ障とか話下手であっても、そこに結果がついてくれば何ら問題ないはずです。
あるいは自信が満足し幸福感を得られるなら、外向的であろうと内向的であろうと、どうでもいい事です。
そもそも弱みや欠点というのは相対的であり、環境や立場を変えると強みになる事があるというのは、よく知られている事です。
口下手だと人間関係においてマイナスだと考えがちかもしれませんが、誠実でまじめそうな印象を与える事ができます。
無口な人がたまに言葉を発すれば重みを持って受け止められるし、寡黙さは冷静さとなり、頭が良さそうとか、落ち着いた人と映る事もあります。
反対に、外向的ゆえにそれが欠点となる事もあります。
例えば社交的な人はワイワイ騒いだり場を盛り上げる事はできても、1つのテーマに対して深くじっくり話す事が苦手な場合が少なくありません。
内向的な人は友達が少ないため、深いつき合いになるのに比べ、外向的な人は友達は沢山いるものの、そのつき合いは浅い事もあるのです。
口がよく回る人、外向的でお喋りな人はコミュニケーション上手と思われる事もありますが、コミュニケーション能力と「口達者」は全くの別物です。
つるんと口が滑って炎上し、叩かれる政治家や芸能人がよくメディアを騒がせますが、これではいくら口達者でも、むしろ損だと思います。
外向的な人は、落ち込んでいる人に対して「元気を出して」などと安易な慰めをしがちですが、落ち込んでいる人にとっては、そういう事声掛けはむしろ鬱陶しい事もあります。
しかし内向的な人は、自分の空間を大切にするため、相手の領域にずけずけと踏み込むような事はしないで、優しく見守るという事ができます。
外向的な人は、何か問題が起こると大騒ぎして周囲を巻き込みがちですが、内向的な人は人に頼る勇気がない分、自分ではなんとかしようとするので、物事にいちいち動揺しないものです。
学生時代を思い出してみると、クラスの中でいつも中心にして人気を集めていた人がいたと思います。
では、その人達は今、どんな状況でしょうか?
成功している人もいるかも知れないし、そうでない人もいると思います。
つまり成功や幸福は、外向的か内向的かで決まるわけではないという事です。
大事な事は、内向素質に逆らって別の自分になろうともがくよりも、素質にプログラムされている特徴や能力を活かしていく事が大切です。