皆さん想像してみて下さい。
あなたはある珍しい宝くじに当選しました。
これから毎日、あなたの口座には8万6400円が振り込まれます。
けれど、1つだけ条件があります。
それは、お金のままで置いておくと日付が変わった瞬間に、8万6400円は消えて「ゼロ」になってしまうのです。
つまり、そのお金は貯める事ができないので、使うしかありません。
では、あなたならどう使いますか?
ところで、この「86400」という半端な数字はどこからきているのでしょうか?
実は、これ、24時間を「秒数」に換算した数字なのです。
1日は86400秒です。
「1秒1円」と考えると24時間で8万6400円になる計算です。
そして、それは貯めておく事ができません。
時間は「タダ」のように考えているかもしれませんが、決してそうではありません。
言うなれば、自分の「時間」、いわば「命の一部」を削ってつくった「労働力」を提供して、「お金」に変えているのです。
そんな貴重な「時間」ですから、大切に使い、それを「未来」に残していかなければいけないと思うのです。
日本人は「時間」もコストの一部である、という認識がどうも稀薄であるように思います。
例えば、ある主婦のスーパーの特売りのチラシを見ていました。
「あら、うちの近所のスーパーAより、隣町のBストアの方が、ウインナーが特売で15円も安いじゃない?お得だわ」と、わざわざ自転車を飛ばして買いに行く事にしました。
さてこれは、本当に「お得」なのでしょうか?
たしかに、商品を買うという点では15円得したかもしれませんが、そこに行くまでの時間を「コスト」に換算していません。
スーパーAに行く場合には30分かかる買い物時間が、Bストアに行った事で1時間かかった場合。
「時間」というコストは2倍かかっている計算になります。
そう考えると、必ずしも「得だった」とは言えないのです。
例えば、砂時計を見せられて
「これがあなたの残りの人生だとしたらどうしますか?」
と聞かれたとします。
砂がどんどん流れ落ちて、残りの量がどんどん減っているのを見たら、余計な事はできないな、という気持ちになると思います。
寝る間も惜しんで、何か行動しようという気が起こるはずです。
実際の時間もこれと同じ事です。
目には見えませんが、決して無限にあるわけではありません。
今、こうしている間にも、「時間」は流れています。
そして、それは全て「コスト」なのです。
このように、時間を「お金」として考えるといろいろなものが見えてくるのです。