私達は、喜び、楽しさ、幸せといったポジティブな感情は「いい感情」であり、怒り、悲しみ、苦しみ、寂しさといったネガティブな感情は「悪い感情」だと考えがちです。
できる事なら、「いい感情」だけで生きていきたいと思うはずです。
でも、怒りや悲しみの感情も、喜びや楽しさと同じくらい、大切な感情なのです。
感情は、いつも私達が生きていくためのメッセージを送ってくれています。
マイナスの感情の中でも、特に「悲しみ」という感情は、残酷に心をえぐり、しかもなかなか消えてくれません。
肉親や大事な人との別れ、事故や災難、ペットロス、失恋、失業、裏切り、大金の損失・・・。
思い出すたびに、涙が溢れそうになる事もあると思います。
そんな時は、思いっきり悲しんで、静かに「ありがとう」と感謝するのです。
「悲しみ」の感情は、何か大切な物をなくした時に、あふれ出てくるものです。
つまり、悲しみの前に、私達はかけがえのない‘‘宝物”を持っていて、喜びや楽しみや、偉大なエネルギーを与えてくれていたことに気づきます。
当たり前になっていた日常ほど、失った時の悲しみは大きいかも知れません。
そんな悲しみに抗うのではなく、頑張って立ち直るのではなく、「ありがとう」と受け入れる事で、また進む事ができます。
大きな悲しみは心の片隅に残りますが、それは心の奥にそっとしまって歩いていきましょう。
必ず時が優しく癒してくれます。
人や日常があたたかく包み込んでくれます。
今目の前にある当たり前に「ありがとう」と気付き、感謝できるようになるのも、悲しみのおかげなのです。