商売

 

物を売る時の考え方も、「個」に立ち返るべきだと思います。

 

つい「より多くを、より沢山の人に」と求めますが、それは本当に誰かを喜ばせているのか、常に問うべきです。

 

物をつくって売る、買ってもらうという関係性は、たった1人の相手と向き合う事から始まります。

 

100人、1000人に受け入れられようなんて、最初から思わない事です。

 

たった1人を喜ばせる事から始まるのです。

 

それが2人、3人となって、やがて広がっていくのです。

 

そして、もう1人、自分も加える事です。

 

この感覚を持ち続ける事が重要です。

 

街で繁盛しているラーメン店の店主が、開店初日から「1日1000杯売ろう」なんて考えていたでしょうか?

 

いえ、「まずは1人目のお客さんに喜んでもらおう」と、心を込めて1杯のラーメンをつくったはずです。

 

その気持ちをいつの間にか忘れてしまって、繁盛するほどにお客さんを数字でカウントするようになってしまう。

 

自分の力量以上に支店を増やして、オペレーションに追われるだけの日々になって、いざ、非常事態になると苦しくなる。

 

大きくなる事が悪いとは言いません。

 

ただし、自分の心を掛けられる身の丈の勘定を間違ってはいけないと思います。

 

コロナ禍の状況は、身の丈で、目の前の人の為に仕事をするという本質に気付かせてくれたとも言えます。

 

「不特定多数に向けて、大量に回す」というオペレーション能力ばかりが評価される時代は終焉を迎えると思います。

 

調査と統計という数字のバケモノで、「個」を見失った商売をよしとした事が、デフレの元凶だったと思います。

 

これからは、100個つくって1個100円で売るのではなく、10個つくって1個1000円で買ってもらう。

 

少人数の人に確実に喜ばれる付加価値をつけて、正当な値付けをして稼ぐのが正解だと思います。

 

「安売りされても仕方がない」という量販だけに目が向いた仕事を、自分に許してはいけません。

 

それに、付加価値をつけて少なくつくる方が、時間のゆとりもできます。

 

すると、もっとクリエイティブな発想が生まれるのです。

 

良い物が生まれる循環が回り始めるのです。

 

これからのビジネスは「個」から始める。

 

そこに「個」がなければ、生き残れません。

 

そんな仕事を成すためには、まず自分自身が孤独の力を身につけて、「個」という存在である事が大切だと思います。

 

ビジネススキルとして身につけるべき1番目はこれです。

 

とにかく、オンリーワンを目指して下さい。

 

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