「人は公正な行動を取ることで公正な人間になり、節度ある行動を取ることで節度ある人間になり、勇敢な行動を取ることで勇敢な人間になる。」 アリストテレス
人生は、思考ではなく行動で変えるものです。
もっと言うと、考えと行動が一致すると、奇跡のような事が起きます。
行動をともなわない思考はただの思考です。
あなた自身や周りの人、状況に対するネガティブな思考は放っておけばいいのです。
行動のメリットは2つあります。
第一に、行動すれば必要な事ができます。
そして次に、面白いことに行動は思考を変える1番の近道になります。
理由はいくつかあります。
自分の為になる事をやっていれば、行動と思考が近づいていきます。
逆に思考が人生や健康、貯蓄といった本人の利益を損ね、思考のせいで内に秘めた力を引き出せなくなる事もあります。
不安や恐怖、怠慢、怒りに支配される日々を送っている人は、前に進めません。
一方、やらなくてはならないタスクにすぐ取り組むようにすると、やがてそれは直感的な行動になり、次第にネガティブな思考から切り離されていきます。
自分の弱さを嘆いたり、ためらったりしなくなっていくのです。
何かに完全に集中している時、不安や頭の中のネガティブな会話は消えてなくなります。
あなたにも経験はないでしょうか?
意識的に全力で没頭すると、心の声はどんどん小さくなります。
ゴルファーも、テニス選手も、瞑想家も、編み物をする人も、ミュージシャンも、アーティストも、皆その事を知っています。
スポーツ選手はそれを「ゾーン」と呼びます。
そしてゾーンには誰でも入れるのです。
目の前の行動だけに集中していれば、意識にも要領が分かってきます。
そして入る度、自身が深まります。
そうした経験全てが、あなたの思考を長い目で見て変えていくのです。
行動と思考の関係には、もう1つ大事なポイントがあります。
思考が現実になるのは本当です。
しかし、思考は行動を通じてはじめて人生になっていきます。
それまではただの思考でしかありません。
思考はミラーハウスの鏡に似ていて、人生やあなたの内に秘めた力をゆがんだりぼやけたりした形で見せる効果があります。
心は現実とかけ離れた形で世界を捉えやすいのです。
その原因は、解釈や誤解、習慣、常識、文化的、家族的な価値観です。
それは人生の上に重ねた紙に描かれた絵のようなもので、そのデザインに合わせようとすればするほど、現実は息苦しいものになっていくのです。
実際の人生と、自分が考える人生との間のギャップ。
人は大抵、そのブラックホールのような隙間にはまってもがく事になるのです。
何かがいいとか悪いとか、簡単とか難しいとかいった印象は、無意識を流れる不快なノイズ、あるいは思い込みがつくり出しているのです。
思考の逆を行く行動を取り、嫌だった状況を自分をさらす事で、脳はもっと意識的に世界を捉えるようになります。
印象に基づいた人生ではなく、「ありのままの」人生を生きる癖がついていくのです。
ネガティブな考えが浮かんで憂鬱になった時は、すぐ行動してみて下さい。
思考は無視して行動して下さい。
自動思考や感情の命じるままに動くのではなく、自分の為になる行動を取るように心がけてみて下さい。