脳は「無駄遣いをした」という事すら覚えていません。
脳の発作は破壊的な事をしている‘‘自覚’’がないというだけではなく、その時の‘‘記憶’’がないという不思議な現象も起こします。
よく「記憶が飛ぶ」と言いますが、「お金がない」とか「損をした」というきっかけで脳の発作が起きると、過剰な電流が「ビビビッ!」と脳の中の記憶を整理する部位(海馬など)を刺激し、記憶がちゃんと整理されなくなるという現象が起きます。
そうして「あれ?何にお金を使ったのかな?」と忘れてしまうのです。
わかりやすいケースだと、「時間に間に合わない!早く出なきゃ!」とパニックになっている時に限って「携帯電話を忘れた」とか「定期券を忘れた」といった事が起きます。
これは脳内で発作に近い状態が起きていて、記憶を整理する部位が過剰な電気刺激で乱れてしまうからだと考えられます。
お金の場合は、記憶が抜けてしまっているから、「無駄遣いをしちゃった」という感覚が持てないのです。
もし「無駄遣い」と気付けたとしても、「無駄遣いしてしまった」という事をきっかけにまた発作を起こして記憶が抜けてしまうので、「あれ?なんでお金が自分にはないんだ?」となって、無駄遣いをした事をちっとも反省できなくなってしまうのです。
人には「自分にとって都合が悪い事は忘れちゃう」という特徴があります。
相手からひどい事を言われた次の日、「なんであんな事を言ったの!」と追及しても、相手は平気な顔をして「え?私、そんな事言ったっけ?」ととぼけている。
そうして「ムカつく」と怒りがおさまらなくなってしまう事があると思います。
「あいつは覚えていないなんて嘘をついている」と思ってしまうのですが、本人は本当に思えていません。
それは脳の発作のせいだからです。
相手を沢山傷つけているのに、その事も忘れてしまいます。
お互いに言い合っても、時間が経って脳の発作がおさまってみると、相手からひどい事を言われた事は覚えているのですが、破壊的な人格に変身した自分の言動はすべて記憶から抜けてしまいます。
これが「都合悪い事は忘れる」という現象のメカニズムです。
お金が貯まらない人は、「お金がない」とか「損しちゃう」で脳の発作を起こしやすい人なので、「セールしているうちに買っておかなきゃ損をする」と買ってしまいます。
しばらくして財布を見ると、「あれ?なんでこんなにお金がないんだっけ?」とお金が減っているのに、お金を使った記憶がないのです。
レシートをチェックして初めて、「あ!あの時買っちゃたんだ!」と思い出します。
「お金が貯まらないからセーブしなくちゃ」と思っていなのに、すっかりその計画がぶち壊しになってしまうのです。
それでも「まあ、来月から貯めればいいか」と考えるのですが、ちょっとしたストレスから、また脳の発作を起こして同じ事を繰り返してしまいます。
そうして脳の発作が起きやすい状態をキープし続ける事になってしまうのです。
「なぜかお金が貯まらない」という人のほとんどが「自分の記憶が抜けている」という自覚がありません。
むしろ「自分は記憶が良い」と思っています。
なぜならすっぽり記憶が抜けて、「抜けている」という事すらわからないからです。
「なぜかお金が貯まらない」と思っている事は、その時点で発作を起こして自分の知らないところで記憶が抜けてしまっている可能性があるのです。