「自己肯定感が低い人」が会社で認められにくい理由は、2つあります。
1つはこれまででも述べた通り、周囲に配慮するあまり、自分の独自性のあるアイデアや主張をしない為です。
それでは「勤務態度はまじめ」という評価は得られても、部門や会社の利益に貢献しているという評価は得られません。
また、言われた事をこなす従順な部下とは、上司からは扱いやすい反面、自ら手を挙げて業務を推進していく積極性が感じられない為、昇進や昇格の審査に挙げる対象に入りにくいのです。
もう1つは、責任感が強く、仕事を1人で抱え込んでしまう傾向がある事です。
「人にお願いするのは申し訳ない」「迷惑がられないだろうか」「他人に任せたら仕上がりが不安」「自分が責任を持ってやらないといけないのでは」と考え、なんでもかんでも自分で抱え込む事になりがちです。
その為、納期に間に合わなかったトラブル報告が遅れたりして、「なんでもっと早く言わなかったんだ」という事になってしまいます。
1人で抱え込む人は、「自分の努力が足りない」と自己否定する傾向があります。
また、目の前の仕事をこなす事で精一杯で、周りが見えなくなってしまう事もあります。
周囲の動きだけでなく、自分が置かれた状況も把握する余裕がなくなると、「しんどい」「辛い」「疲れた」という現象は感じても、どうすればいいかに思考が及びません。
一方で「自分はこんなに努力している」という自尊心は人一倍にあるため、評価してくれない上司や会社に対する不満が強くなります。
彼らが持っている責任感は自己犠牲精神からくるものなので、プラスに働けばもちろん良いのですが、無理をして体調を崩したり精神を病んだりしてしまうケースもあるのです。