孤独を恐れる人は、自分をよりよく知る事ができません。
いつも誰かと一緒にいたりいつも誰かと繋がっていたりするために、1人内省する時間が十分にとれないからです。
例えば就職に際して自分の適性がわからない、自分は何がやりたいのか分からないという人も、本当の自分が見えていないのです。
自分と対話する事に慣れていないから、「自己分析」などいきなり素の自分に直面しても、とどまってしまう。
「将来に希望が持てない」というのも同じで、自分の得意不得意を認識していないから、何をしていいかわからない。
だから不安感や絶望感に襲われるのです。
しかし1人で内省するからこそ、自分の長所も短所もふくめて、「ありのままの自分」を知る事ができます。
そして自分を知れば知るほど、それを活かす道も見えてきます。
それは、職業の選択、人間関係、お金の使いからを含めたライフスタイルの全方位にプラスの影響を及ぼすものであり、より幸福に近付く方法の1つです。
本来の自分を生かせば、より個が輝き、それが自信になり、ますますありのままの自分でいいんだという確信が持てるようになります。
「才能とは、自分自身を、自分の力を信じる事だ」と言ったのは、ロシアの作家マクシム・ゴーリキーですが、自分の力を信じられれば、その能力を大事にして伸ばしていこうと考えます。
自分の個性や才能を磨く事が生きがいになれば、孤独感とは無縁になります。
同時に、そんな確信があれば、仮に他人からネガティブな評価や反応を受けたとしても、本当の自分に照らして受け止める、あるいは聞き流すという選択が、自らの意志でできます。
自分と対面して、「たしかにそうかも」と思えたとしても、「でも、このままでいいんだ」「そうか、次からはこうしよう」という自分で納得できる判断に繋がります。
そのためには、自分を否定したり嫌ったりするのではなく、自分の本心を受け止め、それを肯定する事です。
自分は弱い人間だ、と思っても、それはそれでいいのです。
弱い自分のまま進んでもいいのです。
それでもここまで進む事ができたんだから。
何か凄い事を成し遂げてはいなくても、自分は生きている。
それだけで凄い事なのです。