「あなたにとって幸福な状態とは何ですか?」
この質問に答えられない人が、世の中には多すぎます。
幸福の具体的な形がないと、脳は「欲しいと言いますけど、幸福ってなんですか?」と、何を現実化していったらいいかがわかりません。
自分にとっての幸福の具体的なイメージを、脳に教えてあげる必要があります。
幸せの形を目の前にぶら下げておいて、初めて脳は、「必要があるのならそれを集めなければいけませんね」と、身体を動かし始めるのです。
あるアメリカの大学で、全米中の起業して成功した60歳以上の資産家たちを対象にアンケートをとりました。
シンプルに、「あなたの幸せは何ですか?」と質問したのです。
結果は、83パーセントの人が「幸せではない」と答えたそうです。
世間的に見れば成功し、充分幸せな人たちであるはずなのに、本人たちはそうは思っていなかったのです。
そこで何が起きているのか、更に追跡調査をしました。
彼らの背景にあったのは、「勝ち負けのルールで動いていた」という事でした。
あいつより○○だから私は勝っている。
そういった基準は必ず誰かと比較があり、他社基準になっています。
その上、勝ったら勝ったで、いつか負けるのではないかという不安がつきまとい、負けたら負けたで勝っている人を妬むという事が起きます。
その結果、どちらも自分は幸せではないという感覚を芽生えさせるのです。
更に幸福ではないと答えた83パーセントの資産家たちの追跡調査をした結果、幸せではない背景に、「自分が本当にやりたい事ではなかった」という要因がありました。
これがうまくいくと思って手を出したら実際成功したわけですが、結局自分がやりたい事をやって来れなかった。
それ故に、自分で自分にばちを当てたのではないかと思います。
この調査は、ウサギとカメの話を想起させます。
ウサギはカメに勝って馬鹿にする事が目的であり、「俺は昼寝をしてもカメには勝てる」と思いがありましたが、結局寝坊してカメに負けてしまいます。
それに対してカメは、勝ち負けではなく、単純にゴールする事に目的がありました。
このお話は、そういう事を暗に教えようとしているのだという気がします。
「あいつに勝った」は、必ずしも成功ではないという事です。
ビジネスパーソンなら、何が実現されたら成功なのか、自分基準で定義し直す必要があると思います。